2011年5月23日月曜日

古い電子機器の扱い

 先日、テレビ番組の制作企画をしている会社から私の持っているT1100(世界初のノートパソコン)を貸し出してくれないか、という問い合わせがあった。海外向けの機器だったので日本ではなかなか持っている人がいないらしい。持っていても貸し出しには応じてもらえないのだそうである。私は貸し出してもよいと思ったが、テレビ番組で電源を入れて使ってみる試みを考えているらしいのでお断りすることにした。

 古い電子機器は電源を入れても動作しないのが常識である。自分では一度も使わないで、大切に保存してあるところに意味があるのであって、電源をいれて壊されてはかなわない。いずれ、開運!なんでも鑑定団に出そうかと思っていたが、電源が入らないアンティーク品など価値がないと言われそうだからやめておく方が無難であろうか。

2011年5月20日金曜日

返事のできない学生

 最近、名前を呼ばれても返事のできない学生が多い。
 講義中に、授業を活性化させる目的で、学生に対し簡単な質問を発することがある。100名程の大人数ともなると学生の名前と顔を全員覚えている訳ではないので、出席名簿を見ながら適当に名前で指名する。しかし名前を呼んでも反応がない。出席していないのかと思いながらもう一度呼ぶと、やっと、おずおずと、手を肩の辺りにまで上げて、私ですという反応を見せる。これでやっと本人を確認できることになる。この間に声を発することはない。むしろ不思議そうな、そして少し迷惑そうな顔をしていることが多い。そこで、もう一度最初から質問をやり直さなければならない。簡単な質問だから答を得てすぐ本論に入りたいのに、予想外に時間が掛かってしまうことになる。そういう学生が増えてきているのは先刻承知していたが、今年は特に多いようである。

 目上の人から名前を呼ばれたら、すぐさま「ハイ」と応えて反応するのが常識であろう。こういう常識を家庭で親が教えていないらしい。しかも学校では、そういう学生を先生が注意しない。だから社会人になっても、そういう常識、礼儀が身についていない困った大人ができてしまうのである。その結果、大学という社会人になる直前の段階で(企業出身の私めのような先生が)教えてあげなければならない事態になってしまうのである。嘆かわしいことである。

 そこで私は、課題で提出されたレポートを名前を呼びながら個々に返却することにした。今までは一括して教員室前の返却箱に入れておけばよかったのであるが、そうすると他人の評価結果が分かってしまうし、レポートの一部が(特に、成績の良い人のものが)行方不明になったりするので問題があった。そういう背景があったので、今年から手渡しで返却することにしたのである。同時に、名前を呼ばれて返事をしない者には、個々に注意してみることにした。効果があるかどうかは分からないが。

 全員の名前をフルネームで読み上げるのも結構大変な作業である。最近は、読み方が分からない変わった名前の人が多い。自分の名前を誤って読まれると気分の悪いものであるから、私はできるだけ正確に読もうと努力する。名前だけでは男女の区別がつかないものもあるから、男性なら“君”、女性なら“さん”付けで呼び分けるのも結構難しい。先生の方も、もっと勉強しなければいけないようだ。やれやれ…。