2016年1月26日火曜日

続々・素朴な疑問:双子はどちらが兄(姉)か?(解決編)

 双子が生まれたとき「兄弟姉妹」をどうやって決めるのか。
昔、どこかで仕入れた知識によれば、後から生まれた方が兄(姉)になるというのが私の理解であった。何故、後から生まれた方が兄なのか、と私は素朴な疑問を持ったのを覚えている。もしかしたら、これが私の抱いた最初の“素朴な疑問”であったかもしれない。

 生まれた順番を重視するのは人間だけが持つ特性である。しかしその順番は、当事者の意思では決められないのが普通である。ただ双子や多胎児の場合のみ人為的に(それも当事者でない誰かに)決める機会が与えられることになる。

 私の身辺には双子はいないし、そもそも兄弟の順番がその後の人生に深く影響を及ぼすような高貴な家柄の生まれでもない。そんなこともあり、私はこれまであまり深くは考えたことがなかった。しかし最近知ったのだが、現在は先に生まれた方が兄(姉)となる決まりになっているのだそうである。

 昔の慣例(*)とは異なるものになってしまったのは驚きであるが、その過渡期にいた人たちの間では色々と苦労があったことであろう。いずれにしても、その決め方に何らかの合理的な理由があるのであれば、それはそれで良いのではないかと思う。

【注】(*)慣例となっていたのかどうかも私は知らない。ただ決まりがなかっただけかもしれない。 
 実際に調べてみると1874年12月13日の太政官布告により、生まれた順に兄弟姉妹が定まるとなったらしい。現在の法律ではそれがどう反映されているのか調べてみたが、私は法律に疎い方なので結局よく分からなかった。唯一見つけたのは、戸籍法の中にある「戸籍の書き方」に関する取り決めである。
戸籍法    第三章 戸籍の記載
第十四条【氏名の記載順序】
氏名を記載するには、左の順序による。
第一 夫婦が、夫の氏を称するときは夫、妻の氏を称するときは妻
第二 配偶者
第三 子
2 子の間では、出生の前後による。
 この条文中の“出生の前後”という表現から「先に生まれた方が兄(姉)」という解釈が成り立つのではないか。少し無理があるかもしれないが、少なくともそう解釈しない限りこの条文の趣旨と齟齬をきたすことになってしまうからである。しかし「齟齬をきたす」からという理由だけで“合理的な解釈”とみなすのは無理があろう。

 ところが最近、この疑問に決着をつける出来事があった。アメリカで2015年12月31日の残りわずかで女児が生まれ、2016年が明けた2分後に男児が生まれたという。この事例から「先に生まれた方が兄(姉)」の方に軍配が上がるのは当然のことであろう。

 普通、多胎児の出産では数分から一時間程度の時間差で生まれることが多いという。記録では数十時間から数十日の間隔が開いて生まれる場合もあるらしいので、誕生日や誕生年が異なる兄弟姉妹が存在することになる。素直に“生れ出た順に”というのが合理的な解釈であろう。

 長年の疑問が解けてホッとしているところである。