2011年7月28日木曜日

変な日本語(1) 「チガカッタ」

 先日ラジオを聞いていたら、出演者の一人が「チガカッタ」と口走った。大の大人が、である。「違っていた」と言いたかったのだろうが、まだ言葉をよく覚えていない幼い子供がよく使う表現法だ。テレビでも一度この間違った表現を使う大人を見たことがある。実に嘆かわしいことだ。幼い日本語表現しかできぬまま、大人になってしまったのであろう。
 同じような表現で「キレカッタ」というのもある。これは「切れかかった」の意味ではなく「綺麗だった」という意味で使っているのだ。こういう間違った日本語表現は、お節介かもしれないが、指摘して正してあげないといけないと思う。

2011年7月16日土曜日

床屋(についての)談義

 私は、最近はよく“1000円床屋”を利用している。高い料金を払って有名理髪店でカットしてもらうほどの立派な頭の持ち主ではないから、自分には身相応と思っている。待たされることもなく、短時間で仕上げてくれるので大変気に入っている。ヘアカットだけで洗髪はしないから時間が掛からないのだ。このタイプの床屋はアメリカでよく利用していたのを思い出す。

 アメリカの床屋での経験は、以前、素歩人徒然「床屋」に書いて紹介したことがあるが、その欄へのアクセスが非常に多いことを以前から不思議に思っていた。「床屋」というごくありふれたタイトルなのに、何故多くの人が読みに来てくれるのか、その理由が分からなかったからである。ところが、ひょんなことからその理由が分かった。「床屋」と「アメリカ」という二つのキーワードを組み合わせて使って検索すると、検索結果のリストのかなり上位にランクされる存在になっていたらしいのである。

 なぜ「床屋」と「アメリカ」の組み合わせが必要になるのか。そこで私が知ったのは次のようなことである。日本人がアメリカへ行って比較的長く滞在すると、当然の結果として男なら誰でも(もちろん、ある種の人を除いて)床屋へ行かねばならなくなる。その時、床屋へ行くにはかなりの勇気と決断を要するという事実である。その苦労話がウエッブ上に沢山掲載されていることを知った。これらは、私の経験とも合致するものばかりであった。この二つのキーワードを使って検索する人が多いという事実が、それを裏付けているとも言えるであろう。

 先の記事「床屋」には書かなかったが、ヘアカットだけで洗髪しないとどうなるか。当然、頭にはカットされた髪の毛の一部(それも、特に短いやつが)が取り残される。理容師は、これを掃除機のような機械に接続されたホースの先で「グォー グォー」ともの凄い音を立てながら吸いとって取り除いてくれるわけだ。取り除くと言っても、それほど丁寧にやってくれるわけではないから(これはアメリカの床屋の話ですぞ)どうしても取り残しが出る。それがチクチクして不快なことこの上ない状態になる。私はあまり身体を動かさないようにして急いで帰宅し、シャワーを浴びて全身から洗い落とすのを習慣としていた。それでも短い毛が下着に付いてしまうとチクチクして、もう一日中、不快な思いをして過ごすのが常であった。

 ところが、日本の1000円床屋ではそういうことがない。日本でも同じように「グォー グォー」と音を立てて吸い取ってくれるのだが、ほとんど取り残しがないのだ。あわてて帰宅してシャワーを浴びる必要などさらさらない。ありがたいことである。これぞ、素晴らしい日本の技術力の差ではないかと思う。ただし、吸いとる機械の方の技術か、カットしてくれた理容師さんの腕の方の技術か、そこのところは定かではない。
【追記】本文のリライト版【素歩人徒然】「床屋談義」も参考にしてください。