2021年11月1日月曜日

名前は短めに


・Knuhsの書斎 から転載

── 眞鍋博士の名前について考えた


▼眞鍋博士の名前
 今年のノーベル物理学賞は、日本人の眞鍋淑郎(まなべ・しゅくろう)博士が受賞することになった。1969年、気候モデルに関する研究で世界で初めて大気循環と海洋循環とを組み合わせた「大気海洋結合モデル」を発表した業績に対するものである。大変嬉しいニュースであった。

 テレビニュースで眞鍋博士のインタビューを見ていたら、アメリカでは名前の「しゅくろう」が発音しにくいので“スキ”(suki?)と呼ばれている、という意味のことを話しておられた

 それを聞いた私は“しゅくろう”がアメリカ人にとって発音しにくいとは到底思えなかったので、おそらく他国の人の耳慣れない名前が覚え難いから単に短くしただけのことだろうと考えた。それにしても、短くしたら“suki”になったというのはどういうことだろうか、と益々納得がいかなくなってしまったのである。

 そんな疑問をいだきながら数日が経過したのち、私は或る事にハタと気が付いたのである。もしかしたら‥‥、そうだ(!)調べてみよう。私は眞鍋博士の英字の名前表記を確かめることにした。インターネット上で検索するとノーベル物理学賞のページ(https://www.nobelprize.org/prizes/physics/2021/manabe/facts/)では“Syukuro Manabe”となっているではないか。

 なるほど、眞鍋博士は自分の名前を“Shukuro Manabe”ではなく“Syukuro Manabe”と表記していたのだ。これでは欧米人には読めない(!)だろう。“Syu”をどう読んだら良いのか、あるいはどう発音したら良いのかと迷うことになってしまう。“y”を無視して“Su”とすれば“sukuro”,“suku”あるいは“suki”などと短くすることができるであろう。私は他人の名前の読み方について勝手に推測し、勝手に納得しようとしていた。

 私は小学校の時代に、日本語の発音をローマ字表記する方法を学んだ。後年、その表記法を「ヘボン式」と呼ぶことを知った。「ヘボン式」では「しゅ」のような拗音(ようおん)は“shu”と表記することになっている。一方、「訓令式」と呼ばれる表記法もあり、この方式にしたがえば「しゅ」は“syu”と表記する。眞鍋博士は、どうやらこの方式のローマ字表記法で育った世代だったのではなかろうか。

 なお、訓令式とヘボン式の主な違いは次の表のようになる。
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2021年10月4日月曜日

最後のコンピュータ


・Knuhsの書斎 から転載

── 愛用のパソコンが壊れました


▼コンピュータの暴走
・2021年8月27日
 私の愛用しているパソコンに異常が生じたようである。最初の兆候は、使用中のアプリ(エディター)で画面スクロールが突然繰り返されるようになってしまったことである。キーやマウスに何かが触れているのではないかと確認してみたがどこにも異常はない。プログラムが暴走しているのだ。これはまずいと思って私はコンピュータの使用を一時止めることにした。

 コンピュータの本体が異常に熱を帯びている。一晩休ませて明日の朝もう一度確認してみることにした。長く使ってきたコンピュータだったからそろそろ寿命が尽きる頃だとある程度の覚悟はできていたので、私は早くも保存しなければならないファイルは何か と考え始めていた。

・2021年8月28日
 翌朝、コンピュータ本体に電源を入れる前に私は大型の扇風機を持ってきてノートパソコンの右側部分(一番熱を発しやすい場所)に強い風が当たるようにして本体の熱を逃がす工夫をした。(つづく)

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2021年9月1日水曜日

今だから話そう カナ表記過敏症


・Knuhsの書斎 から転載

── ソフトウェアの表記について考える

男ありけり

   昔 男ありけり
   コンピュータ業界で、
    外来用語の日本語化に注目しながらも、
    男 それを実践することなく過ごせり
   インターネットの時代、
    男 用語のカタカナ表記にどっぷりと浸かりけり
   その後遺症か、カナ表記法に過度の関心を持つに至れり

コンピュータ用語の日本語化
 コンピュータ開発の初期の頃の話である。初期と言っても黎明期のことではなくプログラム言語の標準化が求められるようになった頃(1974年?)のことと記憶している。


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2021年8月1日日曜日

今だから話そう 出張中の自動車事故


・Knuhsの書斎 から転載

── 日米の格差について

男ありけり

   昔 男ありけり
   初めての海外出張中に自動車事故に遭いけり
   幸運の女神を取り逃がしけり
   持ち帰った資料から、
    医療関係者の努力を半世紀ぶりに知り 感謝!

事故に遭う
 フロントガラス越しに、コンクリートの壁がせり上がるようにこちらに迫ってきた。「ガシーン!!」 ---- 身体の芯にまで響くような激しい衝撃。自動車事故に遭ったのである。

 二十六年ほど前(*1)、初めての海外出張でアメリカへ行っていたときのことである。車の事故にはくれぐれも気を付けるようにと上司に言われてきたにもかかわらず、この体たらくである。仕事の上で会社に迷惑をかけるし不名誉なことでもあるので、そのときの事情は今まで誰にも詳しくは話したことがない。しかし四半世紀も過ぎそろそろ時効になった頃でもあるので、ここらでその折の顛末を記しておこうと思う。
【注】(*1)この章の冒頭部分は『ソフトウェアの法則』(1995年発行) の中の「ソフトウェアと時差」というエッセイの中で書かれたものです。したがって“二十六年ほど前”というのは1968年のことになります。
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2021年7月1日木曜日

今だから話そう 欄を更新しました


・Knuhsの書斎 から転載


【今だから話そう】

 昔の記録を調べていて結局は公にはしなかった出来事
の中から幾つかのテーマを選んで掲載しています。


http://www.hi-ho.ne.jp/skinoshita/imayotei.htm

・「出向と転勤で得たもの」
・「部下の叱り方」    
    を追加しました。 





2021年6月22日火曜日

【今だから話そう】欄、更新しました!!


【今だから話そう】

 昔の記録を調べていて結局は公にはしなかった出来事
の中から幾つかのテーマを選んで掲載しています。


http://www.hi-ho.ne.jp/skinoshita/imayotei.htm

・「出向と転勤で得たもの」
・「部下の叱り方」    
    を追加しました。 






2021年6月3日木曜日

【今だから話そう】欄の新版


終活の一環として         
【今だから話そう】欄を新設しました。

 昔の記録を調べていて結局は公にはしなかった出来事
の中から幾つかのテーマを選んで掲載しています。


http://www.hi-ho.ne.jp/skinoshita/imayotei.htm

2021年4月15日木曜日

今だから話そう「教授室の前で」


・Knuhsの書斎 から転載

── 教授室の扉を叩く


男ありけり

   昔 男ありけり
   理学部にて 数学を学びけり
   ワンゲルの一員となりて 山男の端くれとなりけり
   四年生のとき 林ゼミの一員となりけり


ゼミでの発表の準備
 夏休みが近づく頃となった。林ゼミ恒例の夏季合宿があるという。全員が民宿で缶詰になって勉強するのだそうである。

 その準備のため、テーマを選んで使用する英文のテキスト本を決める。次にコピーを作って全員に配布するという段取りになる。当時、コピーを作るというのは大変な手間と時間を要する作業だった。

 ここでコピーと書いたが、正確には“複写”のことである。当時は、紙から紙へ複写する複写機の時代であった。複写には感光紙が必要となる。感光した後は直ぐ定着液に浸してそれ以上感光が進まないようにする。この方式を普通“青焼き”と称していた。

 したがってゼミで用いるテキストはすべて感光紙だったのである。感光紙の色は「数十年経てば薄くなって読めなくなるぞ。今の内に上から鉛筆でなぞっておけ!」などと無責任にホラを吹く者がいた。現実には60年位経ってもしっかり読める状態で保存されている。現在のコピー機で作成した用紙などは、長期間重ねて仕舞い込んでおくと互いに貼り付いて用を成さないことがある。それに比べると感光紙の方がはるかに保存には適していたようだ。

 すべて予定通りに進んで、各人が担当する部分も決まったので合宿の日程に合わせて各人が準備を開始する段階となった。私も自分が発表する部分の事前準備を始めることにした。

 普段のゼミの授業では、英文のテキストをあらかじめよく読んでおく必要があるが、自分が発表する所は特に念入りに読み込んでおかなければならない。ゼミの発表の場では、先生から鋭い質問が発せられるから準備に手抜きはできないのだ。質問にうまく答えられないと授業は先に進まず、予定の時間通りには終わらないことになる。

 しかし夏休みの合宿では時間はふんだんにあるから、先生の質問に的確に応えるには余程の準備をしておかないと通用しない。夜遅くまで延々と授業が続くことになるかもしれないからである。

 現在の様にプレゼンテーション用の機器やソフトウェアのツールがある訳ではない。黒板にチョーク(3色ほど)を用いて文字や図を描いて説明するという古典的な方法しかない。民宿で行うゼミであっても例年やっていることなので、そのための大きな黒板が用意されていたのである。

 特に数学と言う学問では、多くの数式をいじくりまわして変形して行き最終的に目的の式まで持っていく過程が重要になる。テキスト上ではその過程がすべて詳細に説明されている訳ではない。それを読み解いて説明する必要があるのだ。場合によっては、その過程の説明が問題としてて組み込まれていることもある。

 黒板の上には広い空間があるから(最初だけだが)その場所をうまく使って聞く者が納得するまで説明できなければならない。書く字がいくら下手でも構わない。描く図がどんなにお粗末でも構わない。とにかく聴いている全員を(特に先生を)納得させなければならないのである。

 しかし私が担当する部分をざっと読んでいる内に、テキスト上で明示されていない式が使われている部分があることに気が付いた。普通は引用したい式の最後に“(1)”とか“(6)”とか一連番号が括弧付きで添えられていてその番号から式を確認できるのだが、その式には“ equation(18), Appendix XX ”と記されているだけで対応するものがない。どうやら、これは付録(Appendix)のXXに出てくる式(18)
という意味らしい。配布されたテキストには、その付録の部分は含まれていなかったのである。

教授室の扉を叩く
 さて、どうするか。こういう場合普段の私なら「まっ、いっか」と成り行きに任せてしまうのだが、今はそうは言っていられない。ここは原本を見て確認しなければいけないと考えた。テキストには大学の図書館印が押されているから原本は院生が利用できるよう図書費で購入し教授室の本棚に置かれているものである。私は教授室へ行ってその原本を見せてもらうことにした。

 私はこのときまで先生の部屋へは一人で行ったことがなかったので、教授室の扉を叩くのは初めての経験であった。教授室の前に立って、私は物凄く緊張していた。
 幸い先生は部屋に居られて、私をこころよく迎え入れてくれた。先生は机に向かって何か仕事をされていたので、私は詳しい事情は説明せずにただ原本を見せてくださいとだけ伝えた。

 本棚の中から自分で目的の本を見つけ出し、部屋の入口の近くにある会議用の机(院生やゼミ生が使う)の前に座って確認作業を始めた。先生に話しかけられると困るので、先生の視線に入らないよう出来るだけ背を向けて作業に取り掛かった。

 かなり分厚い書物だったので付録の Appendix XX を見つけるのに大分手間取ったが、ちょっと読んだだけで直ぐ理解できるような内容ではなかった。少し長いが書き写して後で精読することにした。何をしているのか先生には分からないようにして私は脇目も振らずに書き写す作業に集中した。そうすれば、先生も声を掛け難いだろうと思ったのである。小一時間程頑張ってA4の用紙で2枚半ほどのものが出来上がった。よし! これで退散しよう。首尾よく目的を達したのだが極度の緊張が続いたので私は疲れ果ててしまった。

 このようにして何とか予習を済ませ、本番の夏季合宿に参加したのだが、結局この時の努力は無駄だったようである。夏合宿の発表は上手くいった積りなのだが、先生から質問されたのは別の箇所だったからである。事前準備で考えていた“傾向と対策”はうまくいかなかった。Appendix の所はどうなったか、はっきりとは覚えていない。

 夏合宿での発表で記憶に残っているのは、次のような場面だけである。
 私の発表の途中で二つの課題が出ている部分に来ると、先生は「その問題、やってみましょう」と言ったのである。私は内心「しめた」と思った。この問題の説明で時間を費やせば、時間配分から考えて十分自分の持ち時間を使い切ることができる。余計な質問は受けずに済むと確信したからである。しかし、そんなことはみじんも態度に表すことなく、私は一呼吸置いてから淡々と説明を始めたのであった(内容は全く覚えていないが)。事前準備で考えていた“時間配分”だけはうまくいったようであった。

 この後、幾度となく教授室の扉を叩くことになるのだが、その度にいつも最初に教授室の前に立ったときの緊張感だけは鮮明に蘇ってくるのである。


2021年4月4日日曜日

2021年 桜(染井吉野)を見る

2021年 桜(染井吉野)を見る

2021年 桜(染井吉野)を見る

( 場所:我が家の庭 )

【Camera: Canon EOS Kiss X7】            
【Lens: Canon EFS LENS EF-S18-55mm f/3.5-5.6 IS STM】 


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(1) IMG_3539s.JPG
撮影日時 : 2021-03-27 07:55
編集日時 : 2021-04-04 12:12
八分咲き

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撮影日時 : 2021-03-27 07:55
編集日時 : 2021-04-04 12:12

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撮影日時 : 2021-03-27 07:55
編集日時 : 2021-04-04 12:12

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撮影日時 : 2021-03-27 07:56
編集日時 : 2021-04-04 12:12

(5) IMG_3544s.JPG
撮影日時 : 2021-03-27 08:45
編集日時 : 2021-04-04 12:12

(6) IMG_3545s.JPG
撮影日時 : 2021-03-27 08:45
編集日時 : 2021-04-04 12:12

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撮影日時 : 2021-03-27 08:45
編集日時 : 2021-04-04 12:12

(8) IMG_3547s.JPG
撮影日時 : 2021-03-27 08:46
編集日時 : 2021-04-04 12:12

(9) IMG_3548s.JPG
撮影日時 : 2021-03-27 08:46
編集日時 : 2021-04-04 12:12

(10) IMG_3549s.JPG
撮影日時 : 2021-03-27 08:46
編集日時 : 2021-04-04 12:12

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撮影日時 : 2021-03-27 08:47
編集日時 : 2021-04-04 12:12

(12) IMG_3551s.JPG
撮影日時 : 2021-03-27 08:47
編集日時 : 2021-04-04 12:12

(13) IMG_3552s.JPG
撮影日時 : 2021-03-27 08:48
編集日時 : 2021-04-04 12:12

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撮影日時 : 2021-03-31 19:53
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(15) IMG_3554s.JPG
撮影日時 : 2021-03-29 06:26
編集日時 : 2021-04-04 12:12

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撮影日時 : 2021-03-29 06:26
編集日時 : 2021-04-04 12:12

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撮影日時 : 2021-03-29 06:26
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撮影日時 : 2021-03-29 06:27
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撮影日時 : 2021-03-29 06:27
編集日時 : 2021-04-04 12:12

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撮影日時 : 2021-03-29 08:28
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撮影日時 : 2021-03-29 08:28
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撮影日時 : 2021-03-29 08:28
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撮影日時 : 2021-03-29 08:29
編集日時 : 2021-04-04 12:12

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撮影日時 : 2021-03-29 08:29
編集日時 : 2021-04-04 12:12
満開

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撮影日時 : 2021-03-29 08:30
編集日時 : 2021-04-04 12:12
満開

(26) IMG_3567s.JPG
撮影日時 : 2021-03-29 08:30
編集日時 : 2021-04-04 12:12
満開

(27) IMG_3568s.JPG
撮影日時 : 2021-03-29 08:30
編集日時 : 2021-04-04 12:12
満開

(28) IMG_3569s.JPG
撮影日時 : 2021-03-29 08:31
編集日時 : 2021-04-04 12:12
満開

(29) IMG_3570s.JPG
撮影日時 : 2021-03-29 08:31
編集日時 : 2021-04-04 12:12
桜散る(1)

(30) IMG_3571s.JPG
撮影日時 : 2021-03-31 07:32
編集日時 : 2021-04-04 12:12
桜散る(2)

(31) IMG_3572s.JPG
撮影日時 : 2021-03-31 07:32
編集日時 : 2021-04-04 12:12
桜散る(3)

(32) IMG_3573s.JPG
撮影日時 : 2021-03-31 07:32
編集日時 : 2021-04-04 12:12
葉桜