2018年7月30日月曜日

ウォーキング考


・ブログ (ドッと混む・Knuhsの書斎) から転載

── ウォーキングをしながら考えた


▼運動に適した時間帯

 最近の異常な暑さのせいで、私は自分の日々の運動時間をどこに設定したらよいか迷うことが多くなっている。昔は早朝が一番のゴールデンタイムだった。特に夏場などは暑くならない内に朝の運動を済ませてしまうと、一仕事済んだような気持ちになり一日中満足感にひたれたものだ。

 歳を取るにつれて運動の種類は、サイクリングジョギングからジョーキング([jog+walk]ing)へ、そしてウォーキング専門へと変わっていった。そして朝一番の運動は、夏冬を問わず身体には良くないという医療関係者の意見を取り入れ、今では昼間の時間帯に限ることにしている。紫外線が一番強い時間帯は避けるべきだという意見を聞けばすぐさま取り入れて、最近は午後3時過ぎから活動を始めるようになった。

 3時過ぎだと夏などはまだまだ日差しが強く暑い時間帯だが、普段から運動には慣れているので熱中症にはならないだろうと(特段の裏付けがある訳ではないが)自信を持ってしまっている。しかし高齢者の体力というのは、本人の自覚なしに急速に衰えるものらしいから、昨日まで通用した身体が今日はもう持たない事だってありうる。自信過剰のままこの暑いさ中に運動などして倒れたりしたら、それこそ世間から「非常識な年寄り」と見做され叩かれることになろう。

 そこへきてこの連日のスーパー猛暑である。年寄りの思い込みほど怖いものはないから気を付けよう。そう思って時間を更に遅らせ、夕方の6時過ぎから運動をすることにした。やってみると、厳しい日差しも陰り気持ちよくウォーキングができるようだ。多摩川のサイクリングロードに出ると、結構スポーツに励んでいる人たちがいる。大学駅伝の選手たちが4,5人のチームを構成し自転車の伴走者とともに一団となって追い越してゆく。そういう集団に3回程出会っている。今や夕方の時間が運動のゴールデンタイムになっているようである。しばらくはこの時間帯でいくことにしようと思う。


▼体内時計

 ウォーキング中に他の人に追い越されるのは慣れているが、だからと言って追い越されまいと負けじと頑張るような はしたない(?)真似はしないことにしている。しかし最近は女性にも追い越されるようになり、これは何か対策を講ずる必要があると思うようになった。お互いの歩測や歩幅を比べてみても、それほど差が大きい訳ではない。それなのに追い越された後はみるみる差がついてしまう。こちらは若い頃と同じような積りで歩いているのだが、それでもこの差である。この差は一体何が原因だろうか?

 私は、人間の体内時計の進み方には個人差があるのではないかとかねがね思っていた。つまり歳を取ると人間の体内時計は、若い頃より進み具合が遅くなるのではないか(*1)
【注】(*1)私の体験によれば、
 「体内時計は加齢とともに遅れていく(木下仮説)」
 この仮説にしたがえば、すべての辻褄が合うような気がするのである。
 たとえば、若いときと同じような積りで歩いていても、遅れる時計を持っていたのでは結果として遅れてしまうことになる。齢をとると1年という時間が速く感ずるものだが、それは遅れる時計で測っているのだから道理である。子供の頃の1年間は長かったが、大人になると1年は驚くほど短く感じる。

 年寄りになって初めて知ったことなのだが、これは「そういう感じがする」と言う表現だけで済ませてよい問題ではないと思うのである。実は本当に遅くなっていると“考えるべき”ではないか。

 年寄りの動作が遅いのは、決して怠けているからではない。普段から精一杯「思考」し、精一杯「活動」し、精一杯「行動」している“積り”なのだ。コンピュータのサイクルタイムと同じように体内時計はその人の身体に最適なテンポ(tempo)で時間を刻みながら身体全体の活動を支えている。あの動作が、その人の身体に最適なテンポ(サイクルタイム)なのである。年寄りの行動を、そのような目で見て欲しいものである。


▼ウォーキング中の歩測と歩幅

 ところで、私はウォーキング中は歩測(歩速と書きたいなぁ)では負けていても歩幅では負けないよう普段から努力している。ラジオで医療関係者が言っていたが、横断歩道に描かれている黒白のライン上を歩くときは、白い線を踏まないように歩くことを指導しているそうである。

 私も試してみたがこれがなかなか難しい。歩道に一歩踏み出した直後は、ほぼ理想的な歩幅のような気がするのだが、次第に累積誤差が生じてきて横断歩道を渡り切る頃にはもう歩幅が足りないことが明確になってしまう。これ以上歩幅(*2)を広く取るのは自分には無理なようである。どなたか試してみられよ。
【注】(*2)歩幅というものは、自分の身長の高低により影響を受ける可能性があるから、この方法で一律に扱うのは無理ではないかと思う。私の身長は(大切な個人情報を惜しげもなく暴露すると)169センチ程である。最近の人間ドックの結果では、167.6センチと計測されている。2センチ近く短くなっているが、これは白衣の検査技師の前ではどうしても身の縮む思いがして身長が短くなってしまうからであると信じている。白衣高血圧になぞらえて、私はこれを“白衣萎縮症”と呼んでいる。



2018年7月1日日曜日

私の本棚(27):「ドナルド・クヌース先生の本」


 http://www.hi-ho.ne.jp/skinoshita/shef27.htm
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 ・名著の初版本では ‥‥ ?
 ・TeX の発音の仕方は ‥‥ ?