2011年10月8日土曜日

変な日本語(4) 「説明責任」

 「説明責任」という言葉がはやっている。政治家ばかりでなくTV・新聞等のメディア上でも盛んに使われている。どうやら、この言葉は敵(あるいは気に入らない相手)を攻撃する時に用いるものらしい。たとえば「説明責任をはたせ!」という形で用いるのが正しい使い方であるようだ。

 強制起訴された小沢一郎氏の裁判が行われている最中も、メディアは被告となった小沢氏に対して「説明責任をはたせ!」と攻撃したり、あるいは「説明責任をはたしていない」と非難したりしている。
 しかし考えてみると、小沢氏裁判では検察官(正確には検察官役の弁護人)と小沢氏とが一対一で対決する場であって、むしろ検察側に訴追するに足る証拠を提示ことが求められている。検察に「証拠提示責任」があると言ってもよい。小沢氏に「説明責任」を問うのは見当違いではないかと思う。しかし政治家もメディアも盛んに「説明責任」を武器に被告人を攻撃する側に加わっている。ここは黙って「証拠提示責任」がはたされるかどうか待つべきではないか、と思うがどうか。