2016年9月12日月曜日

度量衡の単位の覚え方

 小6の孫が「デシに追われて・・・」とつぶやいている声が私の耳に入ってきた。「えっ! それ“デシに追われてセンチミリミリ”って言うやつ?」と私は確かめてみた。間違いなくそれは、昔からある 例の度量衡の単位の覚え方を暗証しているところだったのだ。最近の若者たちはこの暗記法を知らない。学校では教えていないからである。それを孫が知っていたので、私は妙に嬉しくなってしまった。

 私の小学校時代はこれで覚えたものであるが、私が企業を定年退職し大学教師となったとき、授業でこれに触れたところ知っている学生がほとんどいなかったのは驚きであった。科学の発展にともなって、その後新しい単位がどんどん付加されていったから、今の子供達は覚えるのが大変だろうなぁ~。彼らはどうやって覚えているのだろう、と私はかねてから不思議に思っていたのである。

(図:度量衡)

 キロからミリまでの単位が定められたのは1795年である。
(図:度量衡-1)

 その後、この単位だけでは足らなくなり、1960年にテラからメガマイクロからピコまでの単位が追加された。
(図:度量衡-2)

 科学の発展は凄まじくそれでも足らなくなり、1964年にはエクサからペタフェムトからアトまでが追加された。
(図:度量衡-3)

 更にヨタゼタゼプトヨクトが追加されて現在の姿になった訳である。
(図:度量衡-4)

 我々が扱う普通の数値の大きさは、18世紀の終り頃に定められた単位の範囲内で十分であったのだ。それが、この数十年の間に急速に拡大しビッグデータの時代に突入しようとしている。こういった単位の変化からも、最近の科学の発展の凄まじさが感じ取れるのではないだろうか。

 小中学校時代ならまだいいが、高校、大学と進んだらやはり新しい単位も覚えなくてはならないことになる。すべての単位の覚え方を以下に示しておくことにしよう。


(図:度量衡の記憶法)