2011年12月17日土曜日

コンプライアンス と コーポレートガバナンス

大学の情報倫理の授業で「企業はどこまで倫理的になれるか」というテーマを取りあげた。その中で、企業の社会的責任(CSR)とは、法令を順守した経営を行い、きっちりとした意思決定システムや内部統制システムを確立している企業の経営姿勢あるいは経営戦略を意味している。これは企業の義務を超えたところにある。という意味のことを話し、以下の用語をスクリーン上に表記した。
 ・CSR
 ・コンプライアンス
 ・コーポレートガバナンス
こういった用語が新聞等にしばしば登場するから、少なくとも用語の意味くらいは理解しておいてもらいたかったからである。

そう言えば、巨人軍の元GM清武氏が記者会見で「コンプライアンス違反」という言葉を繰り返し使って読売新聞主筆の行為の不当性を訴えていたのを思い出した。あの「コンプライアンス違反」というのは妥当な表現なのだろうか。コンプライアンスとは本来「法令を守る」ことであるが、最近では、社内規則を守ることも「法令順守」に含まれるらしい。しかし私は思うのだが、あれこそ「コンプライアンス」ではなく「コーポレートガバナンス」の問題と言うべきではなかろうか。

コーポレートガバナンス(企業統治)とは、企業の意思決定や内部統制はどうあるべきかを考えることである。つまり、元GMは、正規の手順を踏んで決めた人事案が「鶴の一声」で変えられてしまうような読売グループ内の体質、つまりコーポレートガバナンスが確立されていないことを指摘したかったのではないか。「法令違反」を訴えるのではなく「企業統治が体をなしていない」という事実を公にすることが、記者会見の(実質的な)目的になっていたように思う。

もっとも、読売グループ内では、主筆の判断に異を唱えることは法に触れるのと同程度の重大な背信行為であって、当然コンプライアンス(法令順守)に属する問題とみなされているのかもしれない。何しろ、その地位を追われるだけでなく、会社を首になったのである。しかもその上に罰金として1億円の支払いを求められている。起訴されて法的に罰せられるよりも、はるかに重い罪と言えるのではないだろうか。

【注】
・CSR(Corporate Social Responsibility)
・コンプライアンス(Compliance
・コーポレートガバナンス(Corporate Governance

2011年12月2日金曜日

転ばない歩き方のコツ

最近つまずいて転びそうになることが多くなった。足を十分に持ち上げないで引きずるように前に出すのが原因なのだ。もっと腿の部分を持ち上げて、前へ振り出すようにして歩かなければいけない。このことに気が付いてからは、意識的に腿を上げて歩くよう努力するようになった。しかし、これがなかなか長続きしない。歩きながら考え事をしていると直ぐ「腿上げ」のことを忘れてしまう。

そこで、振り出した方の足を着地させる際に、意識的に踵の部分から接地させるようにしてみた。“踵着地”の方が“腿上げ”よりも意識を集中しやすいからである。しかも、踵着地を実行していると自然に腿上げができるような気がしたのである。後ろの足を力強くキックする気持ちで前方に振り出すと、更に効果的であることにも気が付いた。

ウォーキングの際は常に大股で歩くことが勧められている。私の経験では、考え事をしていても大股で歩くのを忘れることは滅多にない。始終意識していなくても“大股歩行”なら続けられそうに思えた。

以来、私の歩行習慣は、
・大股歩行
・踵着地
・後足キック
・腿上げ
を実践することとなった。

それにしても、私は生まれて来てこの方「歩き方」について、誰かから教えを受けたという記憶がない。正しい「歩き方」というものは、人生の終盤になって初めて意識的に学ぶ必要が出てくる類いのものなのかもしれない。もっとも「人生の歩き方」の方は、人生のできるだけ早い時期に考えておくべきものであろうが。
【追記】より詳しくは「歩き方について」を参照してください。