2013年11月23日土曜日

ほうていしき

 私は、大学では数学科出身だったので 「ほうていしき」 と言えば “方程式” のことしか思い浮かばない。しかし “奉呈式” というのもあるらしいことを知った。

 米国のキャロライン・ケネディ新駐日大使が華麗な馬車に乗って皇居に向かい、天皇陛下に信任状を提出する儀式に臨んだ、とニュースは伝えている。新任の大使は必ず皇居で信任状を提出する慣わしがあることは承知していたが、寡聞にしてそれを奉呈式Diplomatic accreditation)と呼ぶとは知らなかった。普通ならこれほど大きく報じられることはないが、ケネディ家の人だからこそ注目されニュースに取りあげられたのであろう。

 日本語変換ソフトの開発担当者は、開発中の辞書にちゃんと登録されているかどうか慌てて確認していることであろう。私が普段使っているパソコンの変換辞書には登録されていないが、滅多に使わない用語であるからよしとしよう。
 しかし“奉”は“捧”の字を当てているメディアもある。統一してほしいものである。

2013年11月1日金曜日

川上一塁手の守備力

 元巨人軍監督の川上哲治氏が亡くなった。
 現役選手の時代には“赤バットの川上”と“青バットの大下”と並び称されて、大下選手とともに野球ファンの人気を二分していたものである。
 しかし色々な論評を見ていると打者としての川上、監督としての川上の話は多く出てくるが、一塁手としての守備の話はまるで出てこない。何故か? それは川上一塁手の守備が恐ろしく下手だったからである。

 野手がボールを一塁に投げるとき、川上一塁手のグラブにスッポリと納まるようなストライクでないと川上御大から睨まれることになる。ショートバウンドするようなボールを投げたりしたらそれこそ一大事である。しかし高い球ならそれほど睨まれることはなかったようだ。普通、高い球ならベースから足を離してでもジャンプしたりして捕球しようとするものであるが、川上選手は決してそのようなことはしなかった。ボールが一塁ベース近くに届く前に彼はクルリとボールに背を向け、ボールが転がるであろう方角に向けて一目散に走り出すのであった。本来、そちらの方は捕手がバックアップにまわることになっているから、一塁手の務めはボールをとにかく止めて打者の進塁を防ぐ努力をすべきなのである。しかし彼はそれをしなかったのだ。

 川上選手の動作を遠くから見ていると一塁手にはとても取れないような大暴投だったように見える。それが彼の狙いなのだ。ジャンプして取り損ねたりエラーする危険を冒すよりもボールを投げた野手の責任にしてしまった方が面倒がない。16の背番号を揺らしながら、そして少し“がに股”でボールを追いかけようとする後ろ姿がTV画面に映ると、私は「あっ! またやっている」と思ったものである。しかしTVの解説者は決してそのことに触れようとはしなかった。

 熱心な巨人ファンがこれを読んだら憤慨するに違いない。野球の神様に向かって何と言うことを言うのか! と。最悪の場合、名誉棄損あるいは侮辱罪で訴えられるかもしれない。

 名誉毀損は、刑法230条1項「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮亦は50万円以下の罰金に処する」と定めているから、事実を述べていても罰せられるのである。刑法231条の侮辱罪にあたる可能性もある。

 もし訴えられたら、誰かに“アンチ巨人”の有能な弁護士を紹介してもらいたいものである。誰か高校時代の友人にいないであろうか。
 最悪の場合には亡命も考えておくべきであろう。それには、中学時代の同級生の I 氏に頼んでオーストラリア政府に亡命申請してもらおうかと考えている。