2016年12月31日土曜日

私のボケ防止法

── 生活習慣の見直しと脳の活性化


 最近の私の最大の関心事は、如何にしてボケないようにするかということである。インターネット上には、認知症の初期症状を検知できると称するサイトが沢山存在する。私も一度試したことはあるが再びやろうとは思わない。傲慢だと言われるかもしれないが、健常者には馬鹿馬鹿しいほど他愛のない検査に見えてしまうからだ。定期的に検査して自己診断したい人には向いていないと思う。

 私が必要としているのは、毎日続けられてボケ防止に効果があり、かつ「自分はまだボケていない」という確信あるいは自信(たとえそれが誤解であったとしても)を与えてくれる類いのものでなくてはならない。つまり、検査ではなく予防効果があるもの(あるいは、ありそう見えるもの)を求めているのである。


▼アンチエイジング
 認知症は老化と密接な関係にあるからアンチエイジングの努力をすることが予防法としては一番効果があると言われている。最近の医学の教えるところによれば、歯周病、糖尿病、高血圧症などのいわゆる生活習慣病への対策が重要であるという。私は、そういう知識がまだ普及していない頃から自然にやっていたことが多いので、今は大変に助かっている。たとえば、

(1)歯のみがき方
 企業人だった頃は、会社で定期的な歯の検診を受けることが義務付けられていたので、検査と同時に「歯のみがき方」の指導を受けていた。そして何度指導されてもうまくできなかったみがき方が、やっと身に付いてきて自らできるようになるまでに数年を要したと思う。定年後の今でも、そのとき習ったみがき方を実践している。

(2)食事での習慣
 食習慣も結婚後はすっかりと変わった。甘味料の多い飲み物は避け、コーヒー類には砂糖など絶対に入れないようになった。その結果、自然に糖質制限の習慣が身に付いてきたように思う。相変わらず甘い物は好きだが、特別なときにしか食べないようにしている(ホントかよ? いや、たまには孫と一緒になって菓子のつまみ食いなどしてますけどね)。
 ただ、食習慣の内「よく噛んで食べる」という最も基本的で最も重要な習慣だけは、せっかちな私には無理で未だに身に付いていない。「空腹は最良のクスリ」と言われているように、空腹の時間帯が一番身体には良いらしいのだが、我慢できずにすぐ間食をしてしまう。困ったものである。

(3)定期的な運動
 昔から休日になると仕事のことは忘れようと思い運動をする習慣になっていた。それがストレス発散に効果があると知ったのはずっと後のことである。
 最近は朝起きる前にベッドの上で20分程ストレッチをしてからゆっくりと起き上がる。それから洗顔をして、ラジオ体操を含むストレッチ体操を更に20分程やっている。
 午後は天気がよければ多摩川の河原で1時間以上ウオーキングをする。昔はサイクリングやジョギングが中心だったのだが、今では女性にも追い越される程のゆっくりとした歩みになってしまっているのが口惜しい。

▼脳を使う
 昔から身に付いている生活習慣に関するものだけなら楽なのだが、頭を使ってのボケ防止も重要である。そのためには常にアンテナを高くし、その方面の新しい知識を仕入れることが重要になる。したがって新しいことを学ぶ意欲がなければならない。

 世間では、新しい「脳を活性化する方法」がいろいろと紹介されているが、私はそれらを試す前に、自分が継続して実践できるかどうかを主眼に評価することにしている。そして続けられそうなものだけを取りあえず実践してみる。継続してできそうもないものは最初から諦める。
 現在続けて実践しているのは、以下のようなものである。


(1)運動をしながら 1,000から 7 を引き続ける計算をする
 これを外出時に歩きながら、あるいは運動中に声を出して行う。声を出してやることが重要なので、通りすがりの人に“変な人”と思われないよう小声でやる必要がある。十の位と一の位を常に意識して計算を続けながら、同時に周囲への注意も怠らないようにする。これが結構難しい。隣人に出会って挨拶したり、見知らぬ人に道を尋ねられたりしたときなどは計算が続けられなくなってしまう。信号に気を付けたり、自転車を避けたりと計算の妨げになる出来事があとからあとから起こってくるが、計算を惑わされないよう最大限努力する。場合によっては一時計算を停止する必要に迫られることもある。再開するには直前に発した声が“耳に残っている”のでこれを活用するとよい。

 いろいろな事に細かく気を配らねばならないので自然と頭をマルチで使う能力が養われる。外出時の往路と復路で一回ずつ計算が成功裏に終了できれば「良し」としているのだが、これがなかなか難しい。最近やっとうまくできるようになってきたが、始めてから実に3年以上が経過している。


(2)2桁の加減算
 脳の前頭前野は、老化とともに最も早く機能低下する部位だと言われているから、ここを鍛える必要がある。それには1桁でよいから加減算を繰り返すとよいそうである。そこで私は、プログラムで乱数を発生させ沢山の問題を自動的に作り出すことにした(何桁でもできるように作ったが、とりあえず2桁にしてある)。このプログラムを使って50個の問題を使い古しのA4用紙の裏にプリントする。月の初めにそれを30日分作っておく。


(加減算の例)

 そして、毎朝コンピュータを立ち上げるときの待ち時間(*1)を利用して計算することにしている。右側に答が印字されているので、答の照合も含めて3分程で終了する。 

【注】(*1)Windows は、コンピュータの立ち上げ時間を節約するため標準では簡易版のシャットダウンが使われている。私はあえてそれは使わず、前の晩にコンピュータを閉じるとき[シフトキー]+[シャットダウン]で完全なシヤットダウンを実行しているので、毎朝約3分弱の再起動が必ず実行されるように設定されている。
(3)フリーハンドで円を描く
 加減算の問題が全問正解だったときは、何時の頃からか私はその用紙の余白に丸を描くようになった。漫画家の故手塚治虫氏は生前「マンガのアイディアはいくらでも出てくるが、年とともに円を綺麗に描けなくなった」と述べていたのを思い出した。それを真似て私も円をフリーハンドで描くことにしたのである。余白があったので、私は毎回3つの円を描いているが、うまく描けたときは日付けを記入し記録として残すことにしている。年とともに円が少しずつ歪んでいくのではないかと恐れている。


  (うまく描けた円の蒐集)

 毎日キーボードを使って文章を書いていると、字がうまく書けなくなってくる。図も同様である。円がいびつになってきたら、ボケの兆候が出てきたと覚悟せねばなるまい。


(4)文章を書く
 ボケ防止には日記をつけるとよいと聞いたことがある。私には日記など無理なので、その代わりに「要するに毎日文章をつづればよいのだ」と考えることにして、知人にこまめにメールを書くことで代用することにした。

 最近は Facebook 上でのメール交換や投稿に重点を置くようになった。しかしメールの文章というのは、くだけた感じのものが多くて内容も浅い。それに対しブログへの投稿なら少しは真面目に取り上げるべきテーマに対し考察を深めるようになる。全体の構成も考えて書く必要があるから、メールよりもはるかに頭を使う必要があると考えている。

 月に一度は、ホームページ(Knuhs の書斎)にエッセイを掲載することにしているのだが、最近は筆が鈍りがちである。やはり老化すると文章を書くのが面倒くさくなってくる傾向があるようだ。心して努力すべきであろう。


(5)名称忘れへの対策
 ボケは着実に我が身に迫ってきている。先ず、特定の物の名前がすぐには出てこなくなる。人の名前も出てこない。「そんなのボケではなく、年寄りなら皆同じですよ」と慰めてくれる人もいるが、そう言う相手も年寄りだから、多分心の中で「ボケだと認めたくない」と思っている人の意見なのである。真面目に信じてはいけない。

 そこで私は、名前が出てこなかったら直後に思い出す努力をし脳内の切れたネットワークの線を繋いで直ちに修復することにしている。どうやって名前を思い出すかと言うと、インターネット上で検索するのである。もちろん「あれ」とか「あれあれ」とキー入力しても答えは得られません、絶対に!(*2)。しかし思い出すヒントになるようなキーを複数個うまく組み合わせて入力すれば、リストアップされた記事の項目と説明文だけから結構思い出せるものである。
 忘れていることに気付いたら直ちに検索するのがコツであって、後でやろうと思ってはいけません。後でやろうと思った時には「何を忘れたのか」さえも思い出せないから。   

【注】(*2)試しに、本当に「あれ」で検索してみるとよい。そういう「あれあれ検索」が可能なプログラムを開発してほしいものだ。高齢者を助けるためのそういうアプリの開発に成功したら、貴方(女)は間違いなく大儲けできるはずですよ
 要するに私は、(4)で言及したようにボケ防止の目的でこのエッセイ書いている。そのエッセイで取り上げたテーマが、たまたま「私のボケ防止法」だったという訳である。そして読者諸兄はそれを読まされている、ということになります。まだまだボケなどには無縁の方々にとっては、真に申し訳ないことだ思っております。■

2016年12月26日月曜日

クリスマスの朝

 クリスマスの日の早朝、ベッドの中で半分眠りながらラジオを聴いていた。アナウンサーが「私は何時も最後の曲にはこれをかけることにしています」と言っている。曲名紹介の後、曲が始まった(5:50頃)。クリスマスの歌だ。ちょっといい歌だな・・・ などと思いながら聴いていた。

 しかし段々と盛り上がってきた。何だこれは! 最後の方になると、男性歌手が叫んでいる。「メリー・クリスマス!」と叫んでいる。さだまさしの声のようだ。何んという曲だろう。

 最後にアナウンサーが曲名を再び言うだろうと耳を澄ませていたら、突然コマーシャルになってしまった。残念。

 何んという曲だろう。もう一度じっくりと聴いてみたいものだ。
 そうだ、radiko に「タイムフリー」という機能があると聞いている。これでもう一度聴いて曲名を確かめることにした。

 その結果、さだまさしの「遥かなるクリスマス」という曲であることが分かった。知らなかったなぁ。クリスマスの時季しか流れないからであろうか。素晴らしいクリスマスの朝であった。


2016年12月12日月曜日

新【悪魔の辞典】(6) 強行採決

強行採決自民の、自民による、自民のための採決。

新【悪魔の辞典】(5)トランプ的勝利

トランプ的勝利大方の予想に反して勝利してしまい、その結果本人も含めて世の中を騒がせること。