2013年1月19日土曜日

「初出」の検出(「数独の問題について」の続き)

 先に、数独の問題で 同じ問題が重複して作られないようにするためのプログラムを作った話を紹介した。私は、それをPerlというプログラム言語で記述したのだが、もっと詳しく書くとハッシュ(hash)という記憶方式を利用したのである。これは人間の脳の記憶方法を真似たもので、実に使い勝手がよい。人間の脳は“初出”(めて現したものであるかどうか)を簡単に判別できる機能を持っている。

 受験勉強の時の経験だが、意味の分からない英単語に出会うと辞書を引いて調べる。そして辞書の中でその単語を見つけた瞬間、以前調べたことのある単語であることを思い出し悔しい思いをすることが多い。それが何度も繰り返されると、かなり落ち込むことになる。そして自分の記憶力に自信がなくなってきたりする。

 しかしよく考えてみると、以前一度調べたことがあるという“事実”の方は、しっかりと記憶されるていることに気が付く。忘れているのは、その“意味”の方なのだ。人間の脳は“初出”だけはしっかりと記憶していて、脳は素早く反応してその事実を教えてくれる。我々はこの機能を自信を持って活用した方がよい。

 年寄りが同じ話を繰り返すと、それを聞いた若者の脳は素早く「初出ではない」ことを感知できるから「その話は聞いたよ!」と返すことになる。中には「3回目だよ!」などと回数まで記憶している人もいる。
 人間は齢を取るとこの機能が衰えるから、同じ話を繰り返すようになるのかと了解したとすれば、それは少し違うのではないかと思う。年寄りでも初出はしっかりと覚えている。何度も同じ話をしていると、段々と話し方がうまくなってきて、話の展開も華々しくなり場合によっては誇張されていくものである。だから初出でない(その話をしたことがある)という事実は十分に理解しているのである。年寄りが忘れてしまうのは「誰に対してその話をしたか」ということの方である。

 これからは、年寄りはブログ上などでその話を一度だけ公開すればよい。そして“初出”のマークをしっかりと付ける。そしてすべての人に話したと理解し、もう誰にも話したりしないようにする。そうすれば、誰に話したかのデータを保存したりする必要もなくなるわけだ(どうせ忘れるのだし)。
 こうすれば、若者達も、年寄りの同じ話に悩まされることはなくなるだろう。

 ねっ! この話、いい話でしょ。
 今度、誰かに話してみようかな。

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