2016年3月14日月曜日

「トランプ旋風」-トランプは“切り札”の大統領になれるか

 アメリカ大統領予備選挙での共和党トランプ候補の活躍が話題となっている。日本の新聞では「トランプ旋風」などと称されている。

 実業家出身なので、これまでの政治家とは異なりメディアの攻撃に対し打たれ強い。もともとスキャンダラスな話題の持ち主だったからスキャンダルを取り上げた攻撃にはびくともしないようだ。金持ちなので選挙費用に困ることはなく不正に金を受け取ったりする可能性も少ない。しかも批判攻撃に対しては素早く反論し、かなり下品な内容の個人攻撃で応える。それに懲りた相手は二度と攻撃しなくなる。頭の回転が速く、実に戦い慣れている。

 既成政治家や既得権益層(エスタブリッシュメント)に反感を持つ人々の気持ちをわしづかみにし、その支持に支えられて予想外に大量の票を集めている。今のところ共和党の大統領候補になりそうな雲行きである。言葉遣いも荒っぽい表現から次第に穏やかなものに変わってきた。本選での対抗候補を念頭に置いているようにも見える。本当にアメリカ大統領になってしまったらどうするのだろう。かなり心配である。

 実際に、トランプ大統領が出現したらどうするのか、と今から対策を考え始めている人たちも多くなってきた。カナダへの移住を検討するための問い合わせが多いとか、メキシコ国境に壁を造る費用は誰が払うか、メキシコに払わせる、いや払わない。日本の防衛費用は日本に負担させるらしい、今までの経緯を承知しているのか、等々‥‥が聞こえてくる。

 遅ればせながら、私もトランプ大統領になったらどうなるかを考えてみた。
 トランプ大統領のやる最初の決定は、多分アメリカ合衆国大統領専用機として彼自身が今使用している「TRUMP」と大書された自分の専用ジェット機を使うことにするのではないか。彼は機体に自分の名前が大書された大統領専用機に乗る最初のアメリカ合衆国大統領となるであろう。

 大統領の専用機は、通称「空飛ぶホワイトハウス」とか「エアフォースワン」とか呼ばれるが、これは特定の機種を指すのではなくコールサインのようなものである。したがって大統領が乗ればその機がエアフォースワンとなる。

 これまでのエアフォースワンには、大統領執務室、事務室、寝室、会議室等がありゲームなどでくつろぐ場所もある。慣例として時の大統領の名を記したトランプが常備されているという。当然これらは継承されるであろう。
 そこで私は、早速“President TRUMP”と記されたトランプを(もの好きにも)作ってみた。

       President TRUMP トランプ図

 機体に“TRUMP”と大書された大統領専用機の中で“President TRUMP”と記されたトランプを用いてトランプゲームに興ずるトランプ大統領、という図である。写真に撮ってSNS上に載せられたら、さぞかし楽しいことであろう。

 もっとも、アメリカでは“トランプ”とは呼ばず“プレイングカード(playing cards)”と呼ぶらしい。あれを“トランプ”と呼んいるのは日本人だけであるから、そんな写真を見て面白がるのは日本人だけかもしれない。

 “trump”とは“切り札”のことである。トランプ大統領は、はたしてアメリカの国民が求める“切り札”の大統領となれるのだろうか? 心配だ、心配だ。

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