2009年9月19日土曜日

システム設計の失敗とピサの斜塔

 民主党政権となり、無駄な公共事業の見直しが行われている。八ツ場ダムなどは計画から57年が経過しているのに未だ完成していない。日本では、一度決めたら簡単には計画を変更しないという悪い慣習があるように思う。環境条件が激変し、たとえ本来の目的が無意味になったとしても、目的を少し手直して計画自体はそのまま推し進めようとする。中断する勇気がないのである。そろそろ、こういう風潮は改めていきたいものである。

 システム開発の分野でも、日本では昔から同じような風潮があった。環境条件が変わってしまったり、何か予期せぬ事態が起こっても、予算の見直しや開発スケジュールの見直しなど全体計画を見直そうとすることはない。ただ開発担当者のみが、四苦八苦して設計変更などで精一杯の対応をしなければならないことになる。

 設計変更という応急手当てで何とか完成できたとしても、その後のトラブルへの対応で結局開発費よりも保守費の方が高く付く結果に成りがちである。
 あの有名なピサの斜塔も、建築段階で既に傾きかけていたことはあまり知られていない。傾きを是正するための応急手当だけをして抜本的な対策をしなかったまま今日に至っているのである。
 私が携わってきたソフトウェアの開発作業という仕事も、大なり小なりこのピサの鐘楼建設と同じようなものではないか、と私は常々思っているのである。詳しくは、【ソフトウェアの法則】「ソフトウェアとピサの斜塔」を参照してください。

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