2015年7月22日水曜日

素朴な疑問:実現可能性の研究(Feasibility Study)

 東京オリンピックの主会場となる新国立競技場の当初の計画が白紙に戻ったようである。結構なことである。しかし私はこの案をそのまま葬り去ってはいけないと思う。どこで見積もり額を誤ったのか、しっかりと検証すべきである。

 それにしても、建築業界の「見積り技術」というのは一体どうなっているのだろう。情報処理分野の見積り技術もそれほど立派なものではないが、少なくとも一千億円単位のものが突然二倍になるようなことはない。それでは、もはや“技術”とは呼べない。どんぶり勘定と呼ぶべきであろう。

 日本の官僚たちは他人の金(OPM:Other People's Money)だと青天井と思ってしまう傾向がある。しかも、オリンピックのようなビッグ・イベントでは計画が頓挫する可能性はないからこの好機を見逃す筈がない。今回はその度が少し過ぎたのではないか。東日本大震災時の復興予算流用では、我々国民は何度もだまされている。どさくさに紛れて関係のない物(たとえば競技場周辺の施設)まで密かに取り込んで予算を膨らませたのではないかと勘繰りたくもなる。

 「見積り技術」ばかりでなく、建築業界での「(予算額も含めての)実現可能性の研究」(Feasibility Study)は一体どうなっているのだろう。分からないなぁ・・・。■

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