2015年9月16日水曜日

続々・素朴な疑問:ストリーミング再生

   ------ 聴き放題でよいのか

 最近、定額制の音楽配信サービスが注目されている。音楽を聴いて楽しむには、これまでは音声を記録したCDを直接購入するか、あるいはネット上からファイルをダウンロードし、パソコンやスマホ等に保存してから再生するのが主流であった。これをオフライン再生と呼ぶ。

 この新サービスでは、ネット上に置かれた音声データを逐次ダウンロードしながら、同時に再生させていく方式を取る。これをストリーミング再生と呼んでいる。

 月額で千円程度を払えば(定額制)、何曲でも自由に聴くことができるらしい。聴き放題をキャッチフレーズとしているから、音楽を頻繁に聴く人を対象にしたサービスであると言えよう。ただ、ストリーミング再生の場合は聴きたい時に、聴きたい曲を求めてインターネット上に聴きに行くという形になるから、原則としてオンライン接続(*1)で聴くことが求められる。

【注】(*1)オンラインで一度聴けば、一時的に保存されたファイルを利用してオフライン再生ができるようにしたサービスもあるらしい。

 この方式の狙いは、オンラインで聴いている時だけ利用許諾を与え、それ以外の時は与えないようにできる点にあるようだ。つまり金儲けのための巧妙な仕組みであると言えよう。

 私などは昔ながらの方式で、CDというメディア上に記録されたものを購入しないと安心できない。そのCDさえ持っていれば、著作権上の問題で将来訴えられることはない(と思う)からである。ネット上から音声ファイルをダウンロードし購入する場合も条件は同じであるが、この方式では年月の経過とともに著作権上の利用許諾権を証明するものがなくなってしまう可能性が強い。将来苦労するのではないかと他人事ながら心配になる。CDを選ぶかダウンロードを選ぶかは個人の好みの問題であると言えよう。

 海外ではストリーミング再生が普及しているらしいが、日本では将来どちらが主流になるのだろうか。
 ストリーミング再生では、聴きたい時は何時もネット接続が必要となるから、通信回線上の負荷が想像以上に大きくなるのではないかと危惧している。
 音楽配信の場合、同じ利用者が同じ曲を何度も繰り返し聴くことが予想されるから、同じ内容のデータがネット上を繰り返し飛び交っていることになる(動画配信でも同じだが程度が異なる)。一般的な情報通信の立場から考えると、これは大変な無駄ではないかと思う。送信技術がいくら進歩しても、通信速度には限界がある。我々はネット上のデータ通信量を常に減らす努力を続けなければいけないと思う。

 ストリーミング再生方式は聴き放題を重視する音楽愛好者(オタク)を相手にした金儲けの手段としては有用かもしれない。しかし一般利用者(あるいは、聴きたいものだけを聴く真の音楽愛好者?)にとっては迷惑な話である。聴き放題(あるいは、動画の場合は見放題)を許していたら、将来どうなるのだろう。こういう方式が主流になるのを看過していてよいのだろうか。理解できないなぁ。分からないなぁ・・・。■

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