2018年5月26日土曜日

私の本棚(22):ジェフリー・アーチャー


・ブログ (ドッと混む・Knuhsの書斎) から転載

── ジェフリー・アーチャー


 私の本棚を紹介します。


 第22回は、ジェフリー・アーチャーを取り上げます。


 上掲写真で、右から順に、
(1)   「百万ドルをとり返せ!」、
(2,3) 「ケインとアベル」上/下、
(4,5) 「ゴッホは欺く」上/下、
(6)   「プリズン・ストーリーズ」、
(7,8) 「誇りと復讐」上/下、
(9,10)「遥かなる未踏峰」上/下、
(11)  「15のわけあり小説」

となっています(詳細は【解説欄】を参照してください)。

 ジェフリー・アーチャーは、英国議会史上最年少で下院議員に当選した政治家だったのですが、株式投資の詐欺に引っかかり全財産を失うことになります。それを機会に作家デビューした彼は、処女作「百万ドルをとり返せ!」の大ヒットにより借金を全額返済してしまうのです。

 政界復帰してからは党副幹事長などを務めますが、スキャンダルをすっぱ抜いたタブロイド新聞を訴えいったんは勝訴します。しかしその後、偽証罪に問われて実刑判決を受け、服役する身となってしまいます。しかし収監中の経験から数々のプリズン・ストーリーが生まれてくることになるのです。まさに小説の主人公のような波乱万丈の人生を送ってきた作家として有名です。


ジェフリー・アーチャー(Jeffrey Archer)
(Wikipedia から引用)


【解説欄】

▼「百万ドルをとり返せ!」
 詐欺師に騙されて北海油田の幽霊会社の株を買わされ百万ドルを巻き上げられた4人の男たちが、智慧をしぼってきっちり同額の(1ペニーも多くなく、1ペニーも少なくなく: Not a Penny More, Not a Penny Less -- 原題名)百万ドルを取り返す話です。

 天才的な数学者、医者、画商、貴族の4人が、それぞれの専門知識を生かして頭脳の限りを尽くし展開する痛快な奪回作戦が見事です。映画化もされたらしいです。


 ( 表紙 ) 


▼「ケインとアベル」上/下
 二人の男(名門出のエリート銀行家とポーランド移民のホテル王)がたどる数奇な運命を追う物語です。ここには収容所小説、企業の内幕物、戦争文学、復讐物語、愛の物語といった大長編小説のテーマがすべて含まれています。これまでのアーチャー作品とは一線を画すシリアスな内容です。


 ( 上/下の表紙 ) 


▼「ゴッホは欺く」上/下
 ハイジャックされた飛行機が世界貿易センタービルに突入した自爆テロ事件9.11により多数の行方不明者と死者が出た事件を背景として、絵画のオークション業界の情報とをからめた胸のすくようなサスペンス物に仕立て上げられています。


 ( 上/下の表紙 ) 


▼「プリズン・ストーリーズ」
 鞭(むち)のことを“cat o'nine tails”(九尾の猫)と呼ぶらしい。これは昔から罪人を鞭打つのに九本縄の鞭が使われたからで、鞭打たれると猫の爪で引っかかれたようなみみずばれができることからそう呼ばれたらしい。原作のタイトル“Cat O'nine tales”は、この“tails”(尻尾)を語呂合わせで“tales”(物語)に置き換えたもので、著者自身の刑務所体験をもとに書かれた短編集です。


 ( 表紙 ) 


▼「誇りと復讐」上/下
 これは現代版「モンテ・クリスト伯」とも言うべき作品です。身に覚えのない殺人の罪で投獄された青年が、奇想天外な方法で脱獄し自分を陥れたエリート4人に復讐する物語です。

 この本に出てくるエピソードの多くは、著者が収監されていたベルマーシュ刑務所で実際に体験したことがほぼそのまま忠実に再現されているそうです。


 ( 上/下の表紙 ) 


▼「遥かなる未踏峰」上/下
 世界の最高峰エヴェレストへの初登頂はいつ誰が成し遂げたのか。
 エヴェレストへ挑み「なぜ登るのか?」と尋ねられると「そこに山があるからだ」と答えたという、あの悲劇の登山家ジョージ・マロリーの物語です。

 ジョージ・マロリーは英国の国民的英雄であり、エヴェレストへの登攀に挑んだが、はたして本当に登頂に成功したのか、死後も長らく大きな謎となっていました。ジェフリー・アーチャーによる初の山岳小説であり、ジョージ・マロリーの栄光と挫折の物語です。


 ( 上/下の表紙 ) 


▼「15のわけあり小説」
 ここで取り上げられている15編の短編小説は、どれも実際にあった話のように思われるものばかりです。実際、10編は実際にあった出来事に基づいています。残りの5編は著者の創作ですが、実際にあったことではないかと思わせるものがあります。

 原題の“And Thereby Hangs a Tale”は、「それにはわけがある」という意味で、思わず にやりとしたり、にっこりしたり、うなずいたりしたくなる「ちょっといい話」ばかりです。


 ( 表紙 ) 



▼本の詳細

(1)「百万ドルをとり返せ!」NOT A PENNY MORE, NOT A PENNY LESS, (c)1976 by Jeffrey Archer : 1977年8月30日発行, 1993年9月15日第52刷改版, 2009年8月25日72刷, ジェフリー・アーチャー 著, 永井淳 訳, 新潮文庫 ア-5-1, \926, 新潮社, ISBN978-4-10-216101-2 C0197

(2)「ケインとアベル(上)」KANE AND ABEL(vol.Ⅰ), (c)1979 by Jeffrey Archer : 1981年5月25日発行, 2007年10月25日第55刷改版, 2009年7月25日57刷, ジェフリー・アーチャー 著, 永井淳 訳, 新潮文庫 ア-5-4, \781, 新潮社, ISBN978-4-10-216103-6 C0197

(3)「ケインとアベル(下)」KANE AND ABEL(vol.Ⅱ), (c)1979 by Jeffrey Archer : 1981年5月25日発行, 2007年10月25日第55刷改版, 2009年9月20日57刷, ジェフリー・アーチャー 著, 永井淳 訳, 新潮文庫 ア-5-3, \781, 新潮社, ISBN978-4-10-216104-3 C0197

(4)「ゴッホは欺く(上)」FALSE IMPRESSION(vol.Ⅰ), (c)2005 by Jeffrey Archer : 2007年2月1日発行, 2008年11月20日第3刷, ジェフリー・アーチャー 著, 永井淳 訳, 新潮文庫 ア-5-25, \629, 新潮社, ISBN978-4-10-216125-8 C0197

(5)「ゴッホは欺く(下)」FALSE IMPRESSION(vol.Ⅱ), (c)2006 by Jeffrey Archer : 2007年2月1日発行, 2008年11月20日第4刷, ジェフリー・アーチャー 著, 永井淳 訳, 新潮文庫 ア-5-26, \629, 新潮社, ISBN978-4-10-216126-5 C0197

(6)「プリズン・ストーリーズ」Cat O'Nine Tales, (c)2007 by Jeffrey Archer : 2008年6月1日発行, ジェフリー・アーチャー 著, 永井淳 訳, 新潮文庫 ア-5-27, \667, 新潮社, ISBN978-4-10-216127-2 C0197

(7)「誇りと復讐(上)」A Prisoner of Birth(vol.Ⅰ), (c)2008 by Jeffrey Archer : 2009年6月1日発行, ジェフリー・アーチャー 著, 永井淳 訳, 新潮文庫 ア-5-28, \667, 新潮社, ISBN978-4-10-216128-9 C0197

(8)「誇りと復讐(下)」A Prisoner of Birth(vol.Ⅱ), (c)2008 by Jeffrey Archer : 2009年6月1日発行, ジェフリー・アーチャー 著, 永井淳 訳, 新潮文庫 ア-5-29, \743, 新潮社, ISBN978-4-10-216129-6 C0197

(9)「遥かなる未踏峰(上)」Paths of Glory(vol.Ⅰ), (c)2009 by Jeffrey Archer : 2011年1月1日発行, ジェフリー・アーチャー 著, 戸田裕之 訳, 新潮文庫 ア-5-30, \667, 新潮社, ISBN978-4-10-216130-2 C0197

(10)「遥かなる未踏峰(下)」Paths of Glory(vol.Ⅱ), (c)2009 by Jeffrey Archer : 2011年1月1日発行, ジェフリー・アーチャー 著, 戸田裕之 訳, 新潮文庫 ア-5-31, \590, 新潮社, ISBN978-4-10-216131-9 C0197

(11)「15のわけあり小説」And Thereby Hangs a Tale, (c)2010 by Jeffrey Archer : 2011年5月1日発行, ジェフリー・アーチャー 著, 戸田裕之 訳, 新潮文庫 ア-5-32, \705, 新潮社, ISBN978-4-10-216132-6 C0197


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